コピルアックとは?フンから作る高級コーヒー

皆さんは「コピルアック」という珈琲をご存知でしょうか?
この珈琲はインドネシア原産の豆からできており「コピ」はコーヒーを、「ルアック」はジャコウネコを意味する言葉です。直訳すると「ジャコウネコ・コーヒー」といった感じでしょうか。「なんか変な名前だなあ」と思うかもしれませんが、この珈琲は名前以外にもいくつか変わった特徴を持っています。
まず驚きなのはその価格です。なんと日本円で100gあたり約1万円だそうです! なんだか飲むのがもったいなくなるような気がしますね。まさに「超高級コーヒー」の名に相応しいお値段です。では、なぜこんなに高いのでしょうか? きっと味も素晴らしいのでしょうが、値段が高い本当の理由は違うようです。実はコーヒー豆の原料に秘密が隠されているんです。
なんとこのコーヒー……

ジャコウネコの「糞」を原料にして作られているんです!
本来ジャコウネコは肉食の動物ですが、獲物が見つからない時にはコーヒーノキの果実を食べることもあります。すると、ジャコウネコの糞には硬くて消化されなかった種――つまり、コーヒー豆の部分が残ることになります。これをかき集めて焙煎し、おいしく淹れたものこそが「コピルアック」だったのです。

 

名前の由来は原料だったんですね。肉食動物がコーヒーノキを食べるという条件に加え、ジャコウネコ自体の生息数も決して多くはないため、生産数が低くなり値段が高騰するわけです。
この「コピルアック」の起源は意外にも古く、遅くとも1800年代には市場に出回っていたようです。当時から希少価値は高く、やはり高値で取引されていました。それにしても動物の消化を利用して豆を取り出すなんて、いったい誰が思いついたんでしょうか。

 

記録には残っていませんが、ある意味天才的な人物の発明だったのかもしれません。当然のことながら、ジャコウネコがどんな種類の実を食べたのかによって豆が自然にブレンドされるため、味や品質が不安定になりがちです。

 

しかし一方で、動物の腸内で熟成されたコーヒー豆は、カフェインの含有量が元の半分に減ることが分かっており、さらに独特の風味があるとのこと。もしこれが糞からできたものでなければ、ぜひ飲んでみたいですよね。
最近ではこの「コピルアック」が、1995年に個性的で笑える発明に対して与えられる「イグノーベル栄養学賞」を受賞するなど、何年経ってもユニークな存在感を放っています。

 

また、あまりに高価なため現地の業者の中には、ジャコウネコに無理矢理コーヒーの実を食べさせることで「コピルアック」を大量に生産しようとする人もいるようで、動物虐待防止の側面から社会問題になりつつあります。

 

このことは2013年にイギリスのドキュメンタリー番組でテーマとして取り上げられ話題になりました。2007年には、アメリカ公開された映画『最高の人生の見つけ方』で、この珈琲の名前が重要なワードとして扱われているなど、意外に身近な存在なのかもしれませんね。
ちなみに動物の糞から作られたコーヒーはこれ以外にも、タイワンザルの糞からできた「モンキー・コーヒー」や、アフリカゾウの糞を利用した「ブラック・アイボリー」、ジャクーという鳥にコーヒーの実を食べさせ、糞を集めて作る「ジャクー・コーヒー」などがあるらしく、いずれも非常に希少であることから「コピ・ルアック」に負けないほどの高値で取引されるそうです。
いかがでしたか? 珈琲の世界は本当に奥が深いですね。中には汚いと思う方もいるかもしれませんが、焙煎・抽出の際の熱で菌は死滅するので衛生上問題はないそうです。個人的には、ちょっと飲んでみたい気もしますね。皆さんも機会があったら(?)勇気を出して飲んでみてはどうでしょうか。

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