コーヒーで膵臓がんのリスクがあがる、は嘘だった!

1980年代、欧米人を対象として疫学研究によって、コーヒーが膵臓がんのリスクをあげるという結果が出されました。

その結果によれば、コーヒーを頻繁に飲む人は11倍も膵臓がんのリスクがあがるというのです。膵臓がんはなかなか見つからないため、見つかった時には手遅れとなることが多い怖いがんの1つであるため、コーヒー好きにとって膵臓がんとの関連は無視できないことなのではないでしょうか。
しかし、国立がんセンターの予防研究グループが近頃発表した内容によれば、コーヒーが膵臓がんのリスクをあげるという証拠は1980年代の研究を最後に見つかっていないんだそうです。

特に、私たち日本人を含むアジア人を対象にした研究はないとのことです。しかも、彼らの2007年に発表した研究結果によると、40歳から69歳までの日本人の男女13万人を対象とした調査で、男性においてわずかながら、コーヒーが膵臓がんを抑制している、という結果が得られました。
1980年代の欧米での結果とは逆の結果ではありますが、コーヒーはもとより、抗酸化作用をはじめさまざまな効用を持っているとされており、がんを抑制する働きも、促進する働きもどっちも持っていると考えられてきました。実際、ラットを使った実験では、コーヒーによってガン細胞が広がりにくくなっていることが確認されています。

 

その一方でコーヒーの持つ様々な効用は、行き過ぎると体に負担になることは事実で、飲み過ぎによって胃が荒れたり、眠りの質が落ちたりすることがあり、これらは間接的にがんのリスクをあげることにつながると言えないことはありません。
しかし、このようなコーヒーによるガン促進のリスクは飲み過ぎの際に起きるものと考えられるため、適量を取っている間は抗酸化作用によるガン抑制作用の方が効いてくると考えてよさそうです。
まことしやかにささやかれている「コーヒーが膵臓がんのリスクをあげる」は少なくともアジア人で確認されたことはなく、日本での調査ではほとんど関連がないか、もしくは男性において、多少、コーヒーを飲む人に膵臓がんが少なかったという傾向が見られました。疫学研究というものは、実際におきている病気に対し、原因を調べることができる有用な学問ですが、調べたい原因とは他の要因で発症していることも多く、正しく切り分ける事が難しいという難点もあります。
科学的な視点は大切ですが、完全では無いことを頭に入れておく必要があるでしょう。「コーヒーが膵臓がんのリスクをあげる」といった不完全な知識で、せっかくのコーヒーがまずくなるのは、避けたいところです。

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