コーヒーを飲みに行きませんか?

仕事や勉強、家事に追われて忙しく過ごしていると、ついつい会社や学校の往復をするだけで精一杯になってしまいがちです。

 

やることがたくさんあると、自分のことを考える時間がなくなります。知らず知らずのうちに身体的に無理をしてしまったり、心の余裕がなくなってしまったりします。
そんなとき、私はコーヒーショップに行きます。
忙しいときに、わざわざコーヒーショップに行ってただコーヒーを飲むのは一見非効率に見えるかもしれません。しかし、かかる手間以上の効果があります。

 

たとえば、仕事でミスをしてしまった帰り道にフラッと駅のコーヒーショップに寄ってみたり、「あれもこれもしなきゃいけない」と頭の中でパニックを起こしそうなときに家の近所の喫茶店まで散歩しながら行ってみたりします。店内でコーヒーを注文して、座ってひとりでただただぼーっとするために。

 

コーヒーショップには、コーヒーのメニューの種類が豊富にあります。疲れたときにはその中から思いっきり甘いコーヒーをチョイスし、更にホイップクリームを多めにしてもらいます。注文したコーヒーを受け取って、外の道行く人を眺められる席に陣取ります。まず一口、ホイップクリームの下のコーヒーを飲みます。コーヒーの香り、甘みと苦みがいっぱいに広がります。思わず口に出して「ホッ」と言ってしまいそうになります。それからホイップクリームも一口。

 

コーヒーの温度でぬるくなり溶けかけたホイップクリームを口にすると、さっきまであんなにいっぱいいっぱいだった自分も溶けていくような気がします。
しばらくホイップクリームが溶けるのを待ちつつ、道行く人を眺めたり、店内のおしゃべりにこっそりと耳を傾けてみたりします。

 

おしゃれな帽子のおじさんが歩いていたり、スーツ姿で花束を持って急ぎ足の人がいたり、みんな寒そうに歩いているのに薄着で平気で歩いている人がいたり。近所の高校の古文の授業は眠たいとか、彼氏が夜中にゲームするのがうるさくて眠れないとか、高齢になったお母さんが庭の木の手入れを自分でしようとするのをやめさせたいとか。

 

普段だと気にもかけないようなことやたわいもない話が世の中には溢れていることに気が付きます。
そんな景色を楽しみながら、
「他にも帽子のコレクションがあるのかな」
「あの花束は誰に渡すんだろう」
「基礎体温が高ければ薄着でも大丈夫なのかな」
「地理の先生の授業眠かったなあ」
「眠れないのは大問題」
「庭木がきれいなお家っていいよなー」
なんてどうでもいい考えが浮かんでは消えていきます。

 

同時に、みんな色々抱えてるなあと無責任に思います。自分だけが大変な気がして焦ったり悲しんだり、暴れまわっていた気持ちが落ち着いてきます。余裕がなくなって、自分の視野が狭まくなっていたことに反省したり、きついことがあるのは自分だけじゃないんだと思い出したり、実はちっぽけなことに悩んでいたことに気づいたりします。コーヒーがぬるくなってくる頃には、目の前の問題にとりかかる気力が湧いてきます。最後の一口を飲み干したら、サッと席を立ちます。

 
滞在時間は10分から15分と長くはないですが、コーヒーショップからの帰り道は背筋が伸びていつもの自分が帰ってきたような気になります。

 

コーヒーショップに行くと職場でも家庭でもない場所に、自分の居場所ができます。ただのんびりと自分だけと向き合う時間ができます。温かいコーヒーは、私を落ち着けて前向きな気持ちを思い出させてくれるのです。
仕事でつらいことがあったとき、学校で思うような成果が出なかったとき、子育てに疲れてしまったとき。余裕がなくなったときには重たい足を引きずって、コーヒーを飲みに行きませんか?

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