コーヒー大国ブラジルの歴史

コーヒー大国と言えば、みなさんはどの国を思い浮かべますか?おそらくブラジルを思い浮かべる方がい多いでしょう。
しかし、どのようにブラジルがコーヒー大国になったのでしょうか?それには少し悲しい歴史があるのです。コーヒーをさらに深く味わうために、その歴史に目を向けてみましょう。

 

最初にブラジルにコーヒーがもたらされたのは、いつでしょうか?それは1774年とされています。その時、フランシスコ会の修道士ホセ・マリアーノが、オランダ人ホップマンから、コーヒーの種子を受け取りました。その後、ホセは、聖アントニオ修道院の庭に、コーヒーの種子を植えたと言われています。ですから、ブラジルにおけるコーヒーの歴史は、約240年ほどです。240年前と言えば、日本ではちょうど江戸時代にあたります。そのころ、コーヒーがブラジルに根付き始めたのです。では、そのコーヒーはどのようにブラジル文化に組み込まれていったのでしょうか?

 

一言で言うならば、奴隷制度のゆえにコーヒーはブラジルにおいて、広がっていきました。18世紀後半、ヨーロッパではすでに奴隷制度がなくなっていました。それとは対照的に、ブラジルでは奴隷制度がまだ、強く残っていたのです。

 

コーヒーを栽培するためには、かなりの人出と土地が必要でした。ブラジルには、そのような広大な土地と多くの奴隷が存在していたため、コーヒーを大規模に栽培することができたのです。ブラジルにおけるコーヒーの影響は、大きくなっていきました。その証拠に、ある議員はこのように語っています。「ブラジルはコーヒーであり、コーヒーは黒人だ。」このように、ブラジルにおけるコーヒー栽培は、奴隷制度と広大な土地に支えられていたのです。では他のどんな要素が、ブラジルをコーヒー大国にしていったのでしょうか?

 

コーヒー大国ブラジルの自然もそれに関係しています。普通、コーヒー栽培のためのコーヒー林には何かしらの日陰樹(日陰になるような木など)が必要です。しかし、ブラジルにおいては、そのような日陰樹は必要ではありませんでした。なぜでしょうか?なぜならブラジルの温暖な気候では、日陰を作らなくても、コーヒー林がよく育ったからです。またインフラ整備もブラジルをコーヒー大国にすることに役立ちました。ブラジル皇帝のペドロ二世が、道路や港などのインフラを整備したのです。

 

たとえ安くて良いコーヒーを作ったとしても、それをブラジルだけで消費していては、利益が限られてしまいます。しかしペドロ二世がインフラを整備したことで、ブラジルからコーヒーの輸出がより安く、早く行うことができるようになりました。このようにして、ブラジルは世界でも有数のコーヒー大国になったのです。コーヒー農園の所有者たちは、コーヒー産業の成功で、莫大な資産を得るようになりました。

 

しかしその一方で、奴隷たちには過酷な労働が強いられていったのです。コーヒー農園の所有者たちにとっては、奴隷は安く使うことができる道具だったからです。奴隷の中には、子供たちさえいて、強制労働を行わされていました。しかしこの奴隷制度も1888年に終わりを迎えることになります。その年に奴隷制度が廃止されてたからです。

 

では、安価な奴隷制度がなぜ廃止されたのでしょうか?それは奴隷よりも安く使うことができる、ヨーロッパ系の移民がブラジルに多く入ったからです。特に、貧しいイタリア南部の人々が用いられました。プランテーションの所有者たちにとって、ヨーロッパ系移民を用いることが魅力的でした。そのために、奴隷制度が廃止されたのです。

 

このようにブラジルはコーヒー大国としての確固たる地位を築いていきました。特に20世紀初頭には、ブラジルにおいてコーヒー生産がピークを迎えます。ブラジル国内においてのコーヒー総生産が約90パーセントになります。またある時期には、ブラジル産のコーヒーが、世界のコーヒー市場の約90パーセントになった時期もありました。それは同じくコーヒー大国のベネズエラのコーヒ―生産の約10倍の数字でした。

 

現在でもブラジルはたくさんのコーヒーを生産し、輸出しています。その恩恵はわたしたちにももたらされています。

 

では、そのことにはどのようなメリットがあると思いますか?まずおいしいコーヒーを安く買うことができます。なぜ安く買うことができるのでしょうか?もちろん、現在の機械化による大量生産のためです。

 

でもその基盤となったのは、何でしょうか?それは18世紀後半からのブラジルにおける奴隷制度の発達です。奴隷たちの努力によって、コーヒーがここまで発達して、流通してきたのです。そしてそのような安くておいしいブラジル産のコーヒーから、他の国のコーヒーも影響を受けました。

 

他の国のコーヒーも、ブラジル産のように安くおししくなる必要が出てきたのです。その意味で、ブラジルにおけるコーヒーの歴史は、世界のコーヒーの歴史にも影響を与えてきたと言えます。では、わたしたちがコーヒーを楽しむとき、時々このようなコーヒーの歴史、背景を思い出す良いかもしれません。

 

それによって、さらにコーヒーに味わいが出て、コーヒータイムが意味深いものとなるでしょう。

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