ロ・スパッツィオ 小さなイタリア、本物の魂が宿る場所

東京都目黒区鷹番、学芸大学駅前にあるバール「ロ・スパッツィオ」のご紹介です。お店の看板メニューはデザインカプチーノ、そして、なんといっても、ピッツァが素晴らしいお店です。もちろん他のお料理やお酒もありますよ。

 

・バール、それはイタリアの魂、イタリアの食文化の礎

LoSPAZIO(ロ・スパッツィオ)は、BAR(バール)です。そもそもバールとは何か。そこから話を始めましょう。バールは、イタリアの食文化の、基底部を構成するものです。まず、イタリアの食文化の頂点には、リストランテ(レストラン)があります。その直下に、トラットリアがあります。トラットリアは英語でいえばトラディショナルで、伝統料理、郷土料理などを中心に出す店です。

 
その下に、タヴェルナ、オステリアといった、大衆食堂もしくは居酒屋があります。次に、ピッツェリア、ジェラテリア、などの専門店。そして、最も大衆的で、最も庶民的で、最も広くイタリアで愛されるもの、それがバールです。イタリア全土で10万軒を超えるバールが存在すると言われています。

 
バールは飲み物を出すところです。ただ、「飲み物だけ」のバールはあっても「コーヒーだけ」のバールは基本的にイタリアには存在しません。バール≠コーヒーショップです。コーヒーがあり酒がある、これが基本となります。

 

冷たい料理だけを出すバールをタボラ・フレッダ、暖かい料理も提供するバールはタボラ・カルダと言います。ロ・スパッツィオは、はじめタボラ・カルダを看板に掲げていたそうです。

 

・筆者の率直な感想は「こんな美味しいピッツァ人生で初めて」というものです。

その後ロ・スパッツィオは、石釜オーブンを導入してピッツァを主力商品に据え、バール・ピッツェリアとなりました。バール・ピッツェリアとは、その名の通りピッツァも出すバールのことです。日本と違って、本場イタリアでは、ピッツァがメニューに存在するのは、ピッツェリアの名を掲げている店だけです。リストランテやトラットリアに、ピッツァはありません(トラットリア・ピッツェリアを名乗る店ならば別ですが)。

 
ロ・スパッツィオのピッツアは、大変評判がいいそうです。それはそうだろうと思います。何故ならば、とても美味しいからです。ここのマルゲリータは、皮はパリパリ、チーズはトロトロ、そして何より、全体の味を引き締め高みへと導くトマトの酸味が抜群に素晴らしいのです。

 
ちなみに2番目の人気メニューも、3位以下と僅差ながら、マルゲリータ/プロシュート(生ハムのマルゲリータ)だそうです。

 
ピッツァの生地に使う小麦粉は、100%イタリアの粉、カプートの小麦粉を使用しています。日本人のピッツァ職人で2010年にナポリピッツァ選手権で優勝を果たしたと牧島昭成氏という方がいるのですが、野崎シェフがその方と昔からのお知り合いで、生地の配合などについて、様々なアドバイスをもらったそうです。

 

・イタリアの朝はカプチーノで始まり、カプチーノと共に終わる
「デザインカプチーノ」はこちらのお店の看板商品です。税抜500円。

 

オーナーバリスタ野崎氏に、猫の絵を描いていただきました。実は図案のリクエストを問われましたので「お店の象徴(シンボル)のようなものはありますか?」とお尋ねしたのですが、「うちの象徴はコーヒーです」というお返事でしたので、猫を描いていただいた次第です。

 
またイタリアの食文化について触れていきましょう。イタリアの男性は、カプチーノは朝食に飲みます。逆に言うと、朝食にしか飲むことを許されません。

 

境目は正午12時だそうです。正午よりも後、午後の2時や3時に大の男がバールでカプチーノを注文などした日には、「どうした、マンマが恋しくなったか」と冷やかされること請け合いだそうです。

 
わざわざ「男性は」と特記したのは、イタリアは女性に優しく男性は紳士であらねばならぬ国ですゆえ、女性は午後にカプチーノを飲んでもさほど変な目で見られたりはしないのだそうです。とはいえ、正午すぎにバールでカプチーノを飲むイタリア人男性が、現実にまったく全然いないというわけではなく、実際は「今日俺は今起きたところだから!だから俺にとっては朝!カプチーノちょうだい」といったような感じだそうです。

 
ただ、これは余談となりますが、バールならまだいいのですが……問題はイタリアのリストランテで、男性がディナーの席にカプチーノを頼むという行為がどういう意味を持つか、ということなのですが。実はこれは「ここの店の食事には満足できなかった。これから別の店で改めて朝食にする、だからカプチーノを飲む」という、非常に侮蔑的なニュアンスを含んでしまうそうです。イタリアを旅行するときは気を付けましょう。

 
とはいえ、日本にあるバールでカプチーノを頼む分にはそこまで神経質になる必要はありません。ロ・スパッツィオのカプチーノ、ミルクの風味が豊かで、エスプレッソはキレ、コク、深みの三位一体を醸し出し、大変結構なお味でございました。なお、こちらのお店のコーヒーメニューは、ほぼ全てがエスプレッソのコーヒーを使用しているそうです。アイスのエスプレッソもあります(カフェ・シェケラート)。

 

・デザートメニューには、イタリア定番ドルチェのティラミスなどもあります

次はお料理のご紹介です。こちらのサルシッチャというイタリアのソーセージに添えてあるのは、イタリアでは非常に歴史ある食べ物であるレンズ豆の煮込みです。日本では普通見かけないものですが、こちらでは肉屋さんに特別に注文して作ってもらっているそうです。

 

・イタリアの夜は酒によって締めくくられ、それと共にバールの戸も閉まる

 

最後に、コーヒーと並ぶバールのもう一つの看板である、お酒の紹介。アペロール・スプリッツというイタリアの若者の間で今、人気のカクテルは、アペロールという柑橘類系のリキュールを白ワインと合わせ、ソーダで割ってカクテルにしたもので、とても爽やかです。
また、イタリアでは食後には食後酒を飲む、という風習があります。有名なのはグラッパで、ロ・スパッツィオでは常時3~4種類のグラッパが用意されています。ほか、サンブーカという食後酒はアニス系の、強めの甘さがあるお酒で、これはちょっと好みが分かれるそうです。
アマーロ、というのは苦みのある薬草酒。そしてチェッロというのは、主に柑橘類の皮や果実から作るフルーティーなリキュールで、代表的なのはレモンの皮で作るリモンチェッロです。
さて、ご紹介してまいりましたロ・スパッツィオ、イタリアの文化の流れを受け継ぐバールとしては、日本で草分けともいえる名店です。お近くを通られた際はもちろんのこと、遠くから足を運ぶだけの価値も
、十分にあると請け合わせていただきましょう。

 

ロ・スパッツィオ
東京都目黒区鷹番3-3-5
03-5722-6799
http://www.bravissimo.co.jp/”

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