人々はどうしてコーヒーを飲むのだろう?

やることがあるのに眠くて仕方ない時、疲れていてリラックスしたい時、食事を食べ終わった後に食後の1杯として等、様々な場面でコーヒーを飲む機会があると思います。
日本人がコーヒーを飲み始めるようになったきっかけは、戦後の高度成長期以降とされています。
その時期は、人々の食生活が欧米化していった時期と重なりその頃から比較的頻繁にコーヒーが飲まれるようになりました。
時間が過ぎ、時代が変わっていくにつれてコーヒーを飲む機会も段々と増えていき、現在では日本人1人当たりの年間コーヒー飲用杯数はおよそ300杯にも上ります。ここでは、どうして日本人がコーヒーを飲むようになったのかについて、その背景を見ていきたいと思います。

 

かつての日本人の食生活は野菜(カリウム)を中心にその時々で旬の豊かさを感じられる食生活を送っていました。
人間というのは、体内の様々な機能によって生命活動を維持できています。その中でカリウムとナトリウムがお互いにバランスを保つ事で代謝を始め、体内の細胞の浸透圧の調整等の重要な働きを行っています。
カリウムを含む野菜を食べている時、人間の身体はナトリウムが必要になります。

 
季節ごとの旬の野菜を食べていた頃の日本人であれば、味噌や醤油又は塩で味付けする事で食生活の中で自然にナトリウムを摂取する事が出来ていました。
しかし戦後になり高度成長期が訪れる中で、日本人の食生活はそれまでの野菜を中心とした食生活から、欧米と同じような食スタイルへとその習慣が大きく変わってしまいました。
食習慣が変わってしまった事により、動物性タンパク質や脂質と併せてナトリウムを大量に摂取する食生活へとそのスタイルが変わっていきました。

ここで注目していただきたい事があります。私達が大好きでよく口にする事のあるコーヒーですが、そのコーヒーにはカリウムが大量に含まれているという事がわかっています。

例えば、ステーキのような動物性高タンパク質の食事にはナトリウムが大量に含まれています。
そのような食事をした後にコーヒーを飲みたくなるのは、人間が持っている生理的機能によりカリウムとナトリウムのバランスを
整えようとしているからであり、とても自然な行動を取っているという事になります。

つまり、私達日本人の食生活が欧米化してしまった事が頻繁にコーヒーを飲むようになってしまった理由の1つと言えます。
食生活が欧米化してしまった事でナトリウムを大量に摂取するようになってしまった身体にとっては、カリウムを手軽に摂取する事ができる都合の良い飲み物としてコーヒーが好まれるようになったと考えられます。

ここで少し話は本題からそれてしまうのですが、「だったら、カリウムを含んだコーヒーにナトリウムである塩を入れて飲んでみよう。」
と思った方も中にはいるかもしれません。
コーヒーの原産国としても有名なエチオピアでは、コーヒーに砂糖ではなく塩を入れて飲む事を習慣にしているそうです。

 
エチオピアを訪れた事がある人の話では、彼らに砂糖入りのコーヒーを進めてみても「小さい時から飲み慣れている塩の方が良い」
という答えが返ってきたそうです。
実際に塩入りコーヒーを作って飲んだ人の感想では、「感想には個人差があるだろうけど、個人的には何も入れずに飲む方がおいしい」ということでした。
一体どんな味がするというのか、興味がわいた方はエチオピア風塩コーヒーに挑戦してみるのも良いかもしれません。

話を戻しまして、今の世の中ではストレスを引き起こす要因が沢山あります。
そのストレスが人の味覚や嗜好にも大きく影響を与えていると言われていて、
ストレスを感じると身体が「苦いもの」をより好んで口にしようとする傾向があるとされています。
つまり、苦味があるコーヒーを飲む事によって人は無意識の内に溜めてしまったストレスを解消しようとしているという研究報告もされています。

 
近頃では苦味の強い深炒りコーヒーに人気が集中しているようですが、それはストレス社会に生きる現代の日本人の精神的な欲求と
何か関係があるという事なのかもしれません。
またコーヒーには時間や場所を気にせず気軽に飲めるという利点もあります。
こうして自然とコーヒーを飲む機会が増えていった事も、日本人とコーヒーをより親密な関係にしたと言えるでしょう。

ふとした時にコーヒーカップへと手を伸ばしていた背景には、「身体的バランス」や「精神的バランス」を取ろうとするコーヒーの意外な力がありました。
嗜好品であるコーヒーは、生命維持に深く関わってはいませんが、精神衛生上、更に身体のバランスを調整する上で大きな役割を果たしてくれています。
そのことも、私達日本人がコーヒーを頻繁に飲むようになった原因ではないでしょうか。

ストレス社会を生きていく私達現代人の心と身体を癒してくれる存在であるコーヒーとは、これからも親しく付き合いを続けていけたら良いと思います。

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