映画の中のコーヒー②

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小林聡美さん主演の「かもめ食堂」という映画は、見たことがある人も多いんではないでしょうか。

北欧のヘルシンキを舞台にしたこの映画では、ていねいに淹れられていくコーヒーに目が釘付けになりました。

コーヒーがおいしくなるおまじないと言って、ドリップするときに指でちょこっとくぼみを作るのがなんだか可愛らしくて印象的。

こんなふうな淹れ方を教えてもらったら、ついやりたくなってしまいますよね。

淹れたてのコーヒーに合うつやつやしたシナモンロールや、握りたてのおにぎりなどの食べ物もみどころです。

そして、この映画で知った人も多いと思いますが、おまじないの言葉で出てくる

「コピ・ルアック」
「最高の人生の見つけ方」という映画でもジャック・ニコルソンが「最も貴重なコーヒーだ……嗅いでみろ」と言いながらコピ・ルアックを飲むシーンがあります。

このコピ・ルアックというのは、インドネシアのバリ島に伝わる幻のコーヒーのこと。

ここに生息するジャコウネコ(イタチ)は、真っ赤に熟した甘いコーヒーチェリーの実しか食べないのです。

このジャコウネコが食べたコーヒーチェリーは、消化されずにそのまま排泄されるのですが、これを洗浄して脱穀し、生豆にしてから焙煎して飲むんだそうです。

コピとはコーヒー、ルアックとはイタチのことで、この名前が付けられました。
ジャコウネコのジャコウとは、ムスクのことで、ジャコウネコの腸内で発酵された分泌物の香りがムスクのような香りなんだそうですよ。

この香りがコーヒーチェリーに移るので、コピ・ルアックは、とても貴重で幻のコーヒーと言われているのです。

北欧人気のきっかけにもなったような映画ですが、北欧の人たちはとても良くコーヒーを飲むんですよ!
世界でいちばんコーヒーを飲んでいると言われる国は、フィンランドとスウェーデン。

消費国としてはこの2カ国が常にランクインしている状態で、健康飲料としてのコーヒーの飲用奨励キャンペーンなんかも行われているみたいです。

さらに北欧は年間を通して気温が低いこともあり、温まるホットコーヒーが日常的に飲まれているようです。

もうひとつ新しい日本の映画でおすすめなのは、「ふしぎな岬の物語」。

吉永小百合さんが企画から立ち上げた映画だそうですが、見所はなんといっても絶好のロケーション!

この映画の舞台になった岬にあるカフェは、実際にも存在する素敵な立地に恵まれたカフェなんです。

千葉県の明鐘岬という場所に佇むカフェなのですが、目の前は見渡す限りの海!
実際においしいコーヒーもいただけるので、わざわざでも行ってみる価値ありの場所です。特に、サンセット時は最高ですよ!

目の前で、大きな夕日がゆっくり沈んでいく姿をたっぷりと味わうことができます。

こんなお店が近くにあったらな~と本気で思ってしまいそうですが、やっぱり、コーヒーって味だけじゃなく、コーヒーを飲む雰囲気もなくてはならないものなんだなと思います。

自宅でなら、景色はそう簡単に変えられませんが、コーヒーを淹れる道具にこだわってみたり、コーヒーカップを揃えてみたりと、ちょっとしたことでも十分気分を変えられるのが楽しいですよね!

そこにコーヒーとよく合うお菓子やBGMなんかがぴったりハマると、自宅で飲むコーヒーもクセになってしまいそうです。

海外映画にもたくさん出てくるコーヒーシーン。
ちょっと古いですが、1987年の「ベルリン・天使の詩」では、人間になった天使が最初にとった行動が、街角のコーヒースタンドで熱いコーヒーを飲むことでした。天使も憧れるほど魅惑の飲み物だったのでしょう。
はずせないのが、「BAGDAD CAFE(バグダッド・カフェ)」。
壊れたままのコーヒーマシンがある砂漠の中の寂しいカフェに、1人の女性が来たことでだんだん潤わされていくカフェの様子が、なんだか心に染みる映画ですよ。

コーヒーを飲みながらゆっくり味わって観たい映画のひとつです。

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