本屋街の地下にある老舗「トロワバグ」

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神保町は本の街として知られる。多くの出版社や三省堂をはじめ、バリエーション豊かで貴重な品揃えの本屋が並ぶが、通の楽しみ方は本を買って終わりではない。買った本を携えて、裏路地にひっそりとたたずむ喫茶店でコーヒーを楽しむ。これが神保町の楽しみ方なのです。
最近ではそうした喫茶店がメディアに数多く取り上げられるようになり、休日ともなると店の前にも長い行列が出来て、ゆっくりと読書を楽しむより、友人同士で会話を楽しむ場といった雰囲気が強くなっています。中にはカフェが併設されている本屋もできています。

澤口書店やブックカフェ二十世紀などが有名ですが、やっぱり老舗の喫茶店でコーヒーを飲みたいという方へ、まだメディアでは知られていない、しかしコーヒーが絶品なお店をご紹介します。

そのお店は神保町のメイン交差点の程近くという目立つ立地にあります。羽付きたい焼きの神田達磨のすぐ横に地下へ通じる階段があります。好立地ですが、お店の雰囲気が外からは見えないので混雑でお店に入れない、といったことは今までありません。知られていないからこそチャンスなのです。階段の半ばに店名がかかれた赤い暖簾があります。

 

「トロワバグ」
(東京都千代田区神田神保町1-12-1 富田ビル B1F、03-3294-8597、https://troisbagues.com/)

 

お店に入ると、店内はやわらかい光で包まれています。モダンなバーといった雰囲気。店の外からは想像していなかったほどの広々とした店内です。大人が通う、秘密の隠れ家のような店内。そこでぜひ注文してほしいのが、トロワブレンドです。お店におじゃますると必ず頼みます。
今やタイミングを見つけては一日2、3杯はコーヒーを飲む、コーヒー好きな私ですが、もしこのお店に来ていなかったら、コーヒーが飲めないままだったでしょう。胃が悪い私はコーヒーのにおいも苦手でした。

 

一生無縁だろうと思っていたコーヒー。しかしインスタントや家で淹れるドリップコーヒーで好き嫌いを決めるのではなく、一度は本物を飲んでみたいという思いから店選びをひそかに悩んでいたころ、知り合いの方に教えてもらったのがこのお店でした。「神保町が好きなら行ってみなよ、このお店のコーヒーが一番おいしいよ」と。

 
その言葉のままでした。ここのコーヒーでは胃もたれもせず、くどくなく、すっきりとしていつつも味が深いので、コーヒーの香りを存分に楽しめます。オールドビーンズという、生豆を数年寝かせてから作るコーヒー豆で、一杯一杯ネルドリップで丁寧に淹れてくれます。味が濃いのにさっぱりしているこの味は、トロワバグ以外では体験しません。手の込んでいるこのコーヒー豆は、その場で購入することもできます。

 

豆のままがいいか、挽いてほしいかもお願いできます。私のようなコーヒー初心者の方でも、忙しいときでなければ、お店の方にコーヒーの淹れ方を教えてもらえますので、タイミングを見計らって聞いてみてください。ホームページをのぞいてみたところ、通信販売も始めたそうですよ。
トロワブレンドと一緒にいただいてほしいのがサンドイッチです。お母さんが奮発して豪華なサンドイッチに挑戦してくれたような、見た目もボリューム感たっぷりで、なんといってもその味がたまらなくおいしいのです。名物のグラタントーストも外せないメニューです。喫茶店に来たはずなのに、パン屋さんにもいるような、おいしいパンがいただけます。
カウンターには純喫茶に関する図書がおいてあります。トロワバグの歴史や、周辺の純喫茶の創業秘話なんかも載っています。
神保町で開催されるイベントのチラシも置いてあるので、せっかくですからトロワバグをきっかけに、より神保町にはまってみてはいかがでしょうか。

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