コーヒーに角砂糖

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みなさん、コーヒーはお好きですか?
私は苦いのが得意じゃないのでブラックでは飲めませんが、コーヒーをブラックを飲む異性って大人な感じがしていて好きです。
今回はちょっとした恋愛話を書いていこうと思います。

私はおしゃれな喫茶店巡りが趣味だったのですが、ある日某有名な喫茶店へ足を運んだところ人が多く混んでいました。
これでは席も取れず、ゆっくり喫茶店の雰囲気も味わえないと思いまたの機会にしようと思いその日は残念ながらそのお店を断念…。
代わりに行きつけの喫茶店へ寄って帰ることにしました。

 
そのお店で頼むものは紅茶だったりラテ系だったり…コーヒーはやはり苦手意識があって頼むことはありませんでした。
この日はホットチョコレートを頼み、一息ついていると1人の男性が。
このお店ではよく見かけるお客さんでした。いつもカウンター席に座ってブラックコーヒーを頼み、店主さんと会話をして楽しんでいる印象です。

 
今日は私もカウンター席、店主さんは主にカウンター席に座る人と会話をしてくれます。
この日も同じで、店主さんに某喫茶店の話をしているとその男性も今日その喫茶店に足を運んだけれど中に入れなかったそうです。
私も今日行ってきたんですよ、でも人が多くて1人じゃとても並んで入れないとそう言うと男性が一緒に行ってみる?と提案してくれました。
折角のお誘いだったのであっさり承諾し、後日某喫茶店の近くで待ち合わせをして小一時間程並び店内へ入りました。

 
店内はコーヒーの香りがして、いつもの喫茶店とは少し違う新しい香りがしました。
装飾もきれいで全体的におしゃれな感じ…少し落ち着かないまま席へ案内され着席しメニュー表を広げました。
ラテアートをメインに扱っているようで女性やカップルで来ている方が多いのはこのためか、と感じながら私が選んだのはキャラメルマキアート。
彼はいつものブラックコーヒー。

 
待っていた小一時間、話を交えたからか緊張もさほどなく喫茶店巡りが好きという共通点からか、はたまた彼が話しやすい空気づくりをしてくれたのかすぐに仲良くなりました。

 
ブラックコーヒーいつも飲んでますよね?好きなんですか?と聞いたところ彼は苦笑いをしてちょっとした訳があるんだ、と。
彼がブラックでコーヒーを飲み始めたきっかけは”カッコつけるため”だったらしいです。

 
彼が好きだった女の子が大人な男性が好きだったみたいで、何とか早く大人になろうと思い父親にどうしたら大人になれるの?と聞いたそうです。
その時に父にコーヒーを片手に、これが飲めるようになったら大人になれる。と言われたらしくそこで何かのスイッチが入ったみたいで、その日から猛特訓。

 
そしてしばらくして、その女の子に告白をしたそうです。
結果は玉砕。それでもかっこいい大人になるために彼は今でもコーヒーをブラックで飲んでるらしいです。
今では、その苦味も癖になりいろんな喫茶店巡りをするほど…。
私もそうなのですが、女性は大人な男性に憧れるものなのかもしれません。

 
そうこうしているうちに注文したものが運ばれてきました。
あったかいコーヒーの横には角砂糖とミルク。
ふいに彼が、君はコーヒーは飲まないの?と。苦いのは苦手なんです…そういうと彼はおもむろに角砂糖とミルクをあたたかいコーヒーの中へ入れました。
スプーンでくるくると混ぜミルクが渦を巻いていたのですが、私の頭の中もぐるぐるになりました。
そして、それを私に差し出して少し飲んでごらん。と言われ、困惑しながらも口を付けさせてもらいました。
苦いけどほんのり甘くて、複雑な味。でも嫌いじゃない、胸があたたかくなりました。
そして彼は言いました。コーヒーってね、恋の味がするんだって。と。
そうなんですねーと流しつつ内心どきっとしてしまいました。

 
何だか緊張してしまい、折角のキャラメルマキアートを頼んだのにいまいち味も分からないまま時間が過ぎ、店を後にしました。
帰るときにまたいつもの喫茶店で会いましょうね。と言われ簡単な口約束をしたのですがうれしかったです。

後から調べたのですが、コーヒーにはリラックス効果と副交感神経が活発になる働きがあるそうです。

 

しばらくしていつもの喫茶店に足を運ぶとカウンター席に見覚えのある姿がありました。
店主さんと仲良く会話する彼の姿です。
あれから少しばかり連絡を取ってはいたのですが会うことはなかったので内心どきどきしつつカウンター席へ座りました。

 
何気ない会話を3人でしていると店主さんが突然、コーヒーと恋は熱くて甘いほうがいいんだよ。今日のブラックコーヒーはどうだった?と彼に質問を投げかけました。
彼は焦った様子になりながらも、彼女が隣にいるから今日のコーヒーは甘かったよ。と言ってくれました。
すると店主さんはこれからも君に出すコーヒーは甘くなってくれると良いね。と。
どういうことだろうと思っていると彼がこちらを向いて、これから先も僕が飲むコーヒーを甘くして欲しいとその旨を伝えられました。
彼なりの告白だったみたいです。

 
今考えてみれば、ロマンティックな告白の仕方ですね。
以前から彼を目で追っていたのは確かでしたし、この間の一緒に出かけた件もあり正直彼のことが気になっていました。
それを承諾し、彼との交際をスタート。
後に、結婚し旦那さんになりました。毎朝彼はコーヒーを飲んでいます。
そしてたまに彼に聞くのです。

 

今日のコーヒーも甘い?と。

喫茶店が、店主さんが、コーヒーが、タイミングがフィーリングが。
何がきっかけなのか分からないですがきっとこれはコーヒーが私の彼を結んでくれたのではないかと思っています。

もし、これから彼女さんや気になる方とコーヒーを飲む機会があればコーヒー効果を試してみてください。
素敵な恋のきっかけやはじまりになるかもしれません。
彼にとっての角砂糖代わりをこれからもしていきたいなと思います。

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