コーヒーの香りがきっかけに

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私は20代後半。友達の多くは結婚している。

 

なんで私だけ結婚できないのだろう?結婚した友達と何が違うのだろう?私は料理もできるし、掃除も嫌いじゃない。見た目はどうだろう?美人ではないかもしれないけど、見られないほど、不細工ではないんじゃないかな。

 

勉強は大学には行かなかったけど教養もあるし、ご両親に紹介できないほどみっともない相手なのだろうか?などいろいろと考えていた。どう考えても、そんなに劣るとこはない。少しばかりプライドが高いのかな?自分の正直な気持ちを打ち明けるのが下手、束縛してしまう?そんな堂々巡りをしながらも、結婚したいな。誰か相手が欲しいなとずっと思っていた。

 

結婚したお友達の旦那さんのお友達と私の4人で食事をすることになった。外で食事をするのではなく、お友達の新居でお食事会。以前、その人とはほかのメンバーとでいわゆる合コンをしたことがあった。その時には、お酒を飲んでいたこともあり、ただ楽しく、盛り上げて話をしただけで終わったけど、悪い印象は全くなかった。

 

友達が家で食事会をするから、あの人もくるから来なよ。と誘ってくれた時はとてもうれしい気持ちになった。
お家での食事会ということは、料理を作る、食材の買い出しがある。この時点からわくわく感が増してくる。何を作ろうか?何が好き?お酒はどれにしようか?など何気ない会話も楽しい。ふと買い物をしていると、コーヒーの豆をひくいい香りがただよってくる。ついつい、あー、コーヒーの匂いだ。いい香りと口から言葉が出てきた。コーヒー好きなの?と言われて、匂いが大好きなんだ。

 

飲むよりも、香りが好きなんだよね。飲むのは紅茶のほうが多いかな。なんて正直に答えてしまった。へー、そうなんだ。俺はコーヒー党だよ。毎日朝はコーヒーを飲むし、コーヒーにはこだわっているんだとのこと。まだまだ20代の私にとっては、コーヒーのこだわりをもつ男性は大人の魅力を感じてしまう。

 

たった3歳ほどしか変わらないのに、30代だとこうも違うんだと変に意識してしまう。コーヒーマジック。なんとなくコーヒーの香りがきっかけとなり二人で話す機会も増えた。食事会のときは、その人の女性遍歴を聞くことに。

 

そういえば、あの彼女とはどうなったの?お金払わずに帰っちゃったんだって?友達の旦那さんからは、なんとなくマイナスな発言が多く聞かされる。どうしてそんなことばかり言うの?もっと魅力的な話を聞きたいんだけど。

 

そんな時、出張で珍しい馬刺しを仕入れてきたから持ってきたんだ。食べてみる?と言われ、またまたドキドキ。馬刺しですか。やっぱり大人だなぁ。馬刺しを食べながら願い事をすると、かなうらしいよ。と女心をくすぐる言葉を発する彼。20代後半の私にとってやはり最大の願いは、早く結婚すること。そうそう、誰かが言っていた。

 

願い事をするときは、きちんと自分の名前、住所、いつまでに、何をかなえたいのか、具体的に願わないといけないんだよね。思い出してよかった。私の願いは、来年の今頃には、結婚しています。と宣言。お願いではなく、私はそうなっていますと言い切ってしまう方が願いが叶うらしい。

 

思い切って宣言してしまったほうがよいでしょう。願かけをして食べた馬刺し。おいしかったのか、どうだったのか?全然味は覚えていない。ただ、願いがかなったことだけが覚えていること。その時願った通り、私は一年後にはしっかり結婚していました。相手はそのコーヒーの彼?そうではなかった。運命、巡り合わせってどんなところからやってくるのか分からない。

 

まさかと思っていた人と結ばれてしまうことがあるんだなぁ。結婚相手の彼は、私より年下。コーヒーの彼とは性格も考え方もお金の使い方も全く違う。私が自然体でいられる。気取らなくてもいい、楽ちんな関係。ご飯を食べに行っても、コーヒーの彼とのときは、お金は彼が支払ってくれるんだろうけど、ご馳走様って言えばいいのかな?財布は出したほうがいいのかな?それとも半分出すよと言えばいいのかな?と頭の中でぐるぐるぐるぐるいろんな考えが巡り巡って、そろそろお店を出ようという時になると、そわそわしてしまい、愛想笑いになってしまったり、ぎこちなかった。それが、年下の彼とだと、私が1000円だすから、あとはあなたが払ってね。と気楽に言える。

 

コーヒーを飲んでタバコを吸うので、口の中がコーヒーとタバコのにおいでとてもくさい。近づいてきただけでもフワーっと漂ってくるのはミックスされた嫌なにおい。でもまあ、コーヒーを飲みながら、またタバコ吸ったんでしょ。くさいよ。嫌だいやだ。と平気で、正直に話せる。こんなに気持ちに正直でいられるのっていいな。と思っていた。

 

けど、年下の彼はまだ20代前半。まさか結婚なんて彼自身が考えているとも思わなかったし、私も結婚はしたいけど、この人と結婚なんてありえない。と思っていたのに、いつのまにか、結婚することに。結婚した彼の朝食は毎朝コーヒー一杯だけ。健康に悪いから、何か食べなよ。と言っても、食べられない。高校卒業してから、ずっと朝はコーヒーだけだから、とコーヒー一杯。でも、大人の雰囲気漂わすわけではなく、旦那のコーヒーは、お砂糖たっぷり、ミルクもたっぷりのコーヒー。私はそこでも、甘すぎるよ!健康に悪いよ。やめなよ。といつもの調子で声をかける。この自然体でいられるのがいいんだよね。結婚生活ってそういうものなんだな。

 

駆け引きをすることなく、ありのままの自分を受け入れてもらって、ありのままのお彼を受け入れる。そうできる相手が見つかったことが幸せなんだな。神さまにお願い事、何か願かけをするときは、忘れてはいけないのは、具体的に、誰がどこで、いつまでに何を達成したいのか、きちんと宣言すること。そうすれば、脳はいつでもそのことを脳のはじっこで覚えていて、願望に近づけるようにしていってくれてる。

 

私の相手にはコーヒーの香りが似合う。それが、かっこいいもので魅力的なのか、臭くて嫌なにおいなのか、分からないけど、いつもそばを通ると匂う。それが当たり前。いつもコーヒーとタバコのにおい。それが無いと、さみしくなるんだろうなぁ。

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