自家焙煎珈琲専門店 せせらぎの風

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みなさんがコーヒー店に求めるものとはなんでしょうか?おそらくコーヒー本来の味であったり、店の雰囲気や接客態度、またはついでに食べる軽食やケーキの味を追求される方もいるかもしれません。

 

そんな中で私が求めているものは、店全体の雰囲気と居心地の良さです。珈琲店を利用する状況は色々あると思いますが、私は休日の昼ちょっと前、ブランチがてらに旦那と珈琲店を訪れるのが大好きで、その大切な時間をそれだけ心地よく過ごせるかが最も大切なことだと思っています。

 

そんな私が今日紹介するお店は、自家焙煎珈琲専門店 せせらぎの風。岐阜県岐阜市にある個人経営のコーヒー店です。岐阜駅からはだいぶ離れたところにありますが、近くには岐阜大学校舎があります。周辺は畑が多く、そんな田舎のスペースに建てられた素朴な風貌のこのお店は、東京生まれの私にいつも懐かしくなるような印象を与えてくれます。

立地的には学生が多い界隈ですが、お客さんは年配の方がほとんど。お店のドアを開けると目の前のショーケースには一目で手作りだとわかる日替わりのケーキが何種類も並べられ、傍には昔懐かしの形をした手作りクッキーが置いてあります。ここでついつい今日のケーキを選びたくなるところですが、少し我慢して奥に進むと、大きな焙煎機と豆が詰まった袋が置いてある焙煎室を覗くことができます。小さな小窓から微かに匂ってくる、香ばしいコーヒー豆の香り。これからここで焙煎された豆を使ったコーヒーが飲めることを想像すると、なんだが感動してしまいます。

 

自然光と白熱灯のみで構成された店内照明は、読書をするのに暗くなく、心を落ち着けるのに明るすぎない程よい具合。長年使われて来たであろうテーブルに腰掛けながら、お店に流れているクラッシク音楽を聞けば、あなたもすでにせせらぎの風の虜です。これからここで過ごす大切な時間に思いを馳せながら、カウンターの奥に飾られた美しいコーヒーカップや店主がコーヒーを淹れる姿を眺めるのも楽しみの一つです。

 

席に着くと笑顔の絶えない奥さんが素早く駆け寄ってきて、軽快なテンポで注文を取ってくれます。基本的には旦那さんと奥さんとで経営されているのですが、初めての方にはコーヒーの説明をしてくれたりと、さりげない気配りも素晴らしいです。

 

私たちは行くたびにコーヒーと軽食を頼んでおり、今日は奥さんオススメの水出しコーヒー(ダッチコーヒー)とオープンサンドを注文しました。軽食に用意されているものは、チーズトーストやオープンサンド(共に単品580円、コーヒー付き840円)など簡単に作れるものばかりですが、自分の実家を思い出させるような懐かしい味わいです。

 

ここのお店の特徴の一つはダッチコーヒー(600円)がグラスではなく、陶器製のコップに入って出てくること。味わい深い陶器のコップに入ったアイスコーヒーを飲みながら、旦那とオープンサンドをつまみ、他愛ない話をする。自家焙煎珈琲専門店 せせらぎの風 は、そんな静かに時が流れて行くことを楽しむことができる最適な場所だと思います。

 

もちろんダッチコーヒーは苦すぎずサラリとした味わいでとても美味しくいただけました。別の日にはブレンドコーヒー(550円)頼んだこともありますが、煎り方を選ぶこともでき、自分好みのコーヒーを味わえます。最後に伝票の裏を見ると、そこにはなんと店主からの手書きのメッセージが…。まるで我が家に帰ってきたかのようなこの場所で、あなたも大切な時間をぜひ過ごしてみてください。
【店舗情報】
自家焙煎珈琲専門店 せせらぎの風
住所:〒501-1123 岐阜県岐阜市古市場高田5-1
TEL:058-239-6634
営業時間:AM9:00~PM7:00
HP:http://seseraginokaze.fc2web.com

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