コーヒーができるまでと味の違いが生まれる理由

缶コーヒーやインスタントコーヒーなどの手軽なものからドリッパーで入れる本格コーヒーまで、コーヒーは多くの方々に愛されている飲み物です。

 

しかし、よほどのコーヒー通でない限りはコーヒーがどのような植物でどのようにして出来上がるのか、また、どのような種類があるのか、何故味が違うのかは詳しく知らない方も多いことでしょう。知られざるコーヒーの世界をご紹介します。

コーヒーはアカネ科コーヒーノキ属の植物です。開花後、コーヒーチェリーという果実を付けますが、果実の成熟には9ヶ月という長い期間が必要です。その果実の中に入っている種子こそがコーヒー豆です。

 

原産地はアフリカ大陸中部で寒さに弱く、高温を好みますので、赤道付近の国々でさかんに栽培されています。コーヒーノキにはいくつか種類があり、現在全世界で生産されているコーヒーノキで最も栽培されているのがアラビカコーヒーノキという種類です。高品質で収穫量も多いため、流通しているコーヒーの7~8割がこのアラビカ種のコーヒー豆です。

 

寒さはもちろん高温多湿や乾燥などの環境での生育が難しく、主に中南米やアフリカの一部地域で栽培されています。他には、ロブスタコーヒーノキという種類があります。こちらは病害虫に強く、高温多湿でも栽培できるのが特徴で、生産量のうち2~3割がこのロブスタ種です。コンゴ原産種をベルギーで研究され、その病害虫への強さから世に広まり、主に東南アジアとアフリカの一部で生産されています。

 

苦味や渋みが強く、主にインスタントコーヒーやレギュラーコーヒーの増量用として使用されます。リベリカコーヒーノキという西アフリカ原の種類もあり、かつてはアフリカの西海岸各地で生産されていました。当時は前述のアラビカ種、ロブスタ種を加えてコーヒーの三原種とも言われていましたが、現在の栽培量は全体の1%未満です。

 

私たちが知っているコーヒーの名前は、これらの品種の名前ではありません。コーヒーは気候条件や生産地などの環境によって風味が変わり、それぞれの個性が出てきますので、市販のコーヒーの種類の名前には主に地名が使われています。

 

ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈付近で栽培されている「ブルーマウンテン」はバランスの取れた風味、タンザニアにあるアフリカ大陸最高峰キリマンジャロの山の斜面で栽培されている「キリマンジャロ」はフルーティーな酸味、エチオピアとイエメンで生産され積出港のモカ港から名前を取った「モカ」は軽くまろやかなのが特徴、といった具合です。

 

こうして栽培され収穫されたコーヒーの実から種子、すなわちコーヒー豆を取り出さなければいけません。この工程をコーヒーの精製といいます。精製には2種類の方法があり、乾式という方法では収穫した果実を天日干しを行うのが基本で、未熟な果実では2週間ほどかかります。

近年は器械による乾燥も行われ、より短期間で作業が終わるようになってきています。乾燥後に種子以外の部分を取り除いて工程終了です。もう一方は湿式と呼ばれるもので、収穫した果実を水に漬けることで未熟な果実を選別し、外皮や果肉をざっと取り除きます。

 

その後水槽で発酵させることで内果皮が分解され、乾燥させた後に精製工場で内果皮を取り除いて終了です。こちらは乾式よりも見た目が揃うため、商品価値が高くなります。乾式と湿式を組み合わせた半湿式を行っている地域や、動物が果実を食べた後の糞を利用するという珍しいものもあります。

しかし、精製しただけではまだコーヒーとして飲むことができません。私たちが知っているコーヒー豆になるまでにはいくつかの工程が必要です。私たちが知っているコーヒーの風味は、焙煎してはじめて得られるものです。焙煎には様々な方法があり、直火、熱風、赤外線、マイクロ波などの手法があります。

 

焙煎時間によって酸味や苦味のバランスが変化するので、コーヒーの味を決める上で重要な工程になります。一般的に浅煎りでは酸味が、深入りでは苦味が強くなります。コーヒー豆を数種類ブレンドする際は焙煎のばらつきを防ぐため、焙煎後に行います。この状態になって初めてコーヒー豆として店頭に並ぶことになります。

購入したコーヒー豆からコーヒーを淹れるには、豆を粉砕しなければいけません。メーカーで粉砕してから販売されているものもありますが、粉砕した状態では酸化が進むのが早まり品質低下しやすいことから、コーヒーミルを用いて家庭で挽くことも珍しくありません。粉砕した粉末はサイズに応じて細挽き、中挽き、粗挽きと区別されます。

 

ドリップの方法や味によって挽き具合を調整することが多く、水を使い時間をかけて抽出するなら粗挽き、エスプレッソなど高温で素早く抽出する場合は極細挽きを使用します。中挽きは一般的なフィルターを使ったコーヒーメーカーに向いています。

このように、コーヒーは種類や栽培方法でも味が違ってきますし、焙煎や粉砕、ドリップの方法でもまた違った味を楽しめる、とても奥の深いものです。ぜひあなたのお気に入りの一杯を見つけてください。

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