日本人のおよそ6割以上の人がコーヒーを飲んでいると言われています。
もともとは海外から入ってきた文化ですが、今ではすっかり日本になじんでいます。喫茶店も多いですし、海外のチェーン店も非常に多いです。コンビニの棚を見ても、10種類以上は常に見られます。
そんなコーヒーですが、コーヒーがなぜここまで日本で流行ったのか、ということについて考えてみましょう。
もともとコーヒーはアメリカ大陸の原住民が飲んでいたものだと言われています。
そこにヨーロッパからの移民が入り、その移民たち間に広まって、今では世界中の人たちが飲んでいる人気のある飲み物になったわけですが、ここで一つ考えておきたいのが、なぜヨーロッパの移民たちはコーヒーに手を出したのか、ということです。
ヨーロッパのもともとの文化では、コーヒーではなく、紅茶を飲む文化のほうが一般的でした。なので、ヨーロッパからの移民も初めは、紅茶を輸入し飲んでいたわけです。
ですがある時、紅茶の輸入に対して高い関税がかけられるようになりました。それに対する講義として1773年にボストン茶会事件が起きたわけですが、高い関税のかかる紅茶をいつまでも飲んでいるわけにはいきませんよね。もともと紅茶は日常的に飲まれていたわけですから、使用頻度は非常に高く、そこに高い関税がかけられてしまっては、日々の出費がかさんでしまいます。そこで登場するのかコーヒーというわけです。
コーヒーであれば、輸入する必要がなく、アメリカ大陸で手に入れ得ることができます。高い関税を払う必要もなく、気軽に飲めます。そういった流れがあってアメリカ大陸ではコーヒーが流行ったわけです。
ここで疑問が一つ出ます。紅茶がもう気軽の飲めなくなった時、そもそも紅茶を飲むのをやめればよかったんじゃないか、という疑問なんですが、これにはちゃんとわけがあります。
日本に住んでいるとついつい忘れがちですが、実は日本の水は非常にきれいでの飲み水にするもの比較的簡単なんです。加えて美味しい水です。逆に海外の水は日本ほどきれいではありません。もちろん、美味しくもありません。いまでもそうなのですから、浄水設備の整っていない昔であれば、尚更だと思います。
なので、ヨーロッパもアメリカも水を美味しく飲むには一工夫必要なわけです。そこで登場するのが紅茶であり、コーヒーなんです。お茶に関しても同じようなことが言えまずが、ここではおいておきます。
安全に飲むということなら、しっかり煮沸すれば、ある程度の安全性は確保できると思います。ですが、美味しく飲む、となるとそれだけでは足りませんよね。
美味しくない水になんらかの味付けをする必要があり、紅茶やコーヒーが流行ったんです。
となると、そもそも日本は水がきれいで紅茶やコーヒーなんてなくても困らなかったはずです。
でも、こんなにもコーヒーは流行っている。これはなぜでしょう。
これはお茶にもいえることですが、日本人は新しいものを作りだすのは苦手ですが、既存のものを発展させるのは得意です。海外から輸入した文化をどんどん吸収し、昇華させていきます。言語なんかはまさにそうですよね。海外の文化に追いつきたいという狙いもあったと思います。
海外の文化を生活に取り入れ、真似る。そうやった試行錯誤をコーヒーに対しても行ってきたのだと思います。その結果、これだけ日本に根付く文化になりました。私は海外でコーヒーを飲んだことがありませんが、おそらく日本のコーヒーはより繊細な味をしているのだと思います。
もともと水もきれいですし、日本人の繊細な感覚は調理にも活かされているからです。たかだかコーヒー、されどコーヒーです。そのコーヒー一杯に、どんな歴史があるのかを考えながら飲むのコーヒーも美味しいのではないでしょうか。
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