コーヒー初心者、芳香に癒されています

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国際結婚して欧州在住の主婦です。

私は元々お茶派の人間で、カフェに入ってもお茶を頼んでいました。コーヒーは大人が飲む物、または男性が飲む物であり、自分にはそぐわない…という先入観がなぜかあったのです。

また、小さい頃から寝つきがとても悪く、カフェインの親玉のようなコーヒーは、まさに体にとっての毒!と両親に言い聞かされて育ちました。(実際は紅茶や緑茶にも多量のカフェインが入っているので、コーヒーだけがやり玉に挙げられていたのは不公平な話ですが…。)そんな私ですが、結婚をした相手が一日三度の食事の後に、コーヒーを飲む人だったのです。

最初、レストランの食事の後にエスプレッソを飲んでいるのを見て「大丈夫?そんなきついものを飲んで、眠れなくならないの?」と心配したら、逆に「何言ってるの?これを飲まなきゃ、脂っこい食事が消化できないよ」と言われてしまったのです。

そこで初めて、コーヒーには消化を助ける作用があり、それを目的として食後に供されることを知りました。また、彼はコーヒーについてほぼ無知であった私に、少しづつ淹れ方や豆の種類を教えて行ったのです。

確かに、朝起きた時にコーヒーマシーンからかぐわしく立ち上る、あの芳香が家中に満ちているのは、何とも言えない至福の状態です。私も夫に付き合って少しずつ、食後にドリップコーヒーをいただくようになりました。

「今日はコスタリカの豆」「これは有機栽培の豆って言うけど、どう違うのかねえ」「たまには普通にスタンダードな豆も気分が変わるね」…等等、はじめは夫に『合わせて』相槌をうっていましたが、実際に数年かけてその違いが何となくわかるようになってきました。

酸味、甘味、旨み。ものすごく暑い地方のコーヒー豆と、やや温暖な国からの豆でも、やはり性格の違いが出てきます。

そう言った各要素を味わっていくうちに、これは大変だ、コーヒーって奥が深すぎる!と思い始めました。確かに、専門店に行けば大海原に漕ぎだすかのごとく、大量の種類があってなかなか選べません。

ですからもっぱら、私が買い物をする際は、お店の人に「口当たりが軽くて、あまり苦みのないものをお願いします」と言う風に、夫の好みを伝えて選んでもらっています。

小さいお店に行くと、その場で豆を焙煎して袋に詰めてくれます。その芳香たるや、もう何物にもかえがたい香りです。

袋をしまった自宅の食品棚を開けるたびに、その柔らかな芳香がふわりと顔をなでるのも、たまりません。こうしてみると、コーヒーは確かに私にとって癒しであり、幸せを象徴する大切なものの一つです。

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