豆カフェ こぶし

【店舗情報】

【店舗名】豆カフェ こぶし
【住所】千葉市中央区矢作町969−6 コーポみどり1F
【TEL】043-222-6085

結婚後、2年目、主人が転職することになりました。
私は当時10か月だった長女を連れて、住み慣れた町を離れ、隣の県の主人の職場の近くへ引っ越すことになりました。
友達もいない、知り合いもいない、かなり寂しい日々でした。
引っ越し後のゴタゴタが落ち着いてしまうと、あまりすることもなく、ただひたすら長女と一緒に散歩に出て、近所を散策していました。
長女は1歳過ぎで歩き始め、ヨタヨタ、よちよちと、でも歩くのがとても楽しいみたいで、自分の進みたいように歩く彼女の後ろをのんびりついていきました。
歩き始めたばかりの頃は、すぐに疲れてしまい、10分ほどで歩かなくなるので、そこで抱っこして家に連れて帰ってあげると、ぐっすりお昼寝します。
「お疲れ様!おやすみ~!」
と声を掛けて寝かしつけてあげました。
でも、どんどん歩くのが上手になっていき、10分だったお散歩時間が15分、30分、40分・・どんどん時間が伸びて行きます。
ひたすら歩き続けているのではなく、あっちで立ち止まってはじっとアリを見たり、こっちで立ち止まっては雑草を摘んだりなので、時間が伸びたからと言って遠くに行ける訳ではないのですが、それでも少しづつ家から離れた場所にまで散歩の範囲が広がっていきました。
家の前の駐車場の前でウロウロするだけだったのが、少し離れた公園までいけるようになり、ちょっと離れたスーパーにも行けるようになり(それでも大人の足だと10分ほどですが。)、著しい成長ぶり!
あまり車通りのない道を歩かせていたのですが、ある日反対方向に歩いて行ってしまいました。
車が通る道だったので、手をつないであげて、車道の方に行かないように気を付けながらのお散歩!
私は緊張していましたが、長女は初めての道でとても嬉しそうでした。
車を指さしては何かを呟いています。
そして、その道の途中で小さなコーヒーショップを見つけたのです。
‘小さなカフェ’という意味の名前のそのコーヒーショップは、あるアパートの1階部分を改装してオープンしていました。
全体的に灰色のアパートでしたが、そのコーヒーショップだけ鮮やかなオレンジ色で、とても目をひきました。
‘自家製パン’という看板と、ランチが食べれることが手書きで小さな黒板に書かれていました。
お店の玄関の横の方に、無農薬野菜と書かれた、土がついたままの野菜が何種類か並んでいてとても美味しそうでした。
名前の通り小さなお店だったし、小さな長女も一緒だったので、ちょっと入るのに躊躇しましたが、とても優しい雰囲気に惹かれて入ってみました。
店内もとても小さく、テーブルが3つ、10人も入ればいっぱいになりそうです。
その時はちょうど人がいなくて、優しそうなおばさんと、その息子さんが迎えてくれました。
「いらっしゃいませ。」
と、優しい笑顔で迎えてくれたおばさんは、気さくに話しかけてくれて、長女にも、
「可愛いね、いくつ?」
と、子供の来店も歓迎してくれる様子にとてもほっとしました。
後から知ったのですが、おばさんは元々保育園で働いていたそうです。
違う職種で働いていたのですが、保育士の資格を独学で取得したとか。
ニコニコと優しいおばさんに、いつもは人見知りの長女もニコニコとしていて驚きました。
やはり、子供は本能的に優しい人が分かるのでしょうか?
パンの良い匂いがして、買って帰ろうかなと思った時、買い物の予定がなかったために、財布は家に置いてきたことを思い出したのです!
恥ずかしくて、謝ってお店を出ようとしたら、
「このパン、良かったらおじょうちゃんにどうぞ。」
と、1番美味しい自慢のパンだというあんぱんを1つ渡してくれたのです。
昨日の売れ残りのパンだから気にしないで、と。
ありがたく受け取り、また明日にでも来ます、という約束をして、その日は帰りました。
久し振りに主人以外の大人と話したことに気が付きました!
次の日、お昼ご飯を娘と食べに行きました。
おばさんのご主人が作っているという無農薬野菜をたっぷり入れて煮込んだカレーと、同じく野菜がたっぷり乗ったピザとスープの2種類のメニューでした。
それにドリンクがつき、コーヒー、ココア、フルーツジュースなど。
私はカレーと大好きなコーヒーを頼みました。
長女はカレーとフルーツジュース。濃縮還元ではなく、ストレートジュースです。
カレーは野菜がとろりととろけていて、とっても優しい味でした!
食の細い娘もパクパク食べて、いつも外食する時は私の分を少し分けてあげるだけで満足するのに、この時は私の分が足りなくなるくらいよく食べ、お代わりを注文しました。
そして、食後のコーヒー、コクがあってとっても美味しい!
普段、自分でも豆を挽いて飲んでいますが、断然美味しかったのです!
美味しさに感動していたら、息子さんがプロのブレンダーの方と相談して最初のイメージに近いものを一緒に作り上げているのだそう。
ぱっとイメージが湧いたら、その都度新しい味を求めて探求していくのが楽しいのだとか。
息子さんは本当にコーヒーが大好きで、じっくり向き合うためにこのお店を開いたそうです。
帰りに、おばさんが作っているという天然酵母のパンを2-3個おやつに買って帰り、無農薬野菜も信じられないくらい安かったので、それも購入していきました。
それから、週に1-2度通うようになりました。
コーヒーの味は度々変わっていて、
「これは夏をイメージしたんですよ。」
「これは美味しい豆が手に入ったので、それを引き立つようなブレンドにしました。」
など、息子さんが嬉しそうに話してくれます。
ランチは、最初はカレーとピザの2種類だけだったけど、調理師免許も持っている息子さんが考えたメニューも加わり、にぎやかになっていきました。
どれも優しい味で、外食をしているという感じはしません。
優しいおばさんと、息子さんの雰囲気に惹かれ、店のお客さんもみんな優しくて、いつもほのぼのした空気に包まれています。
私は遠く離れた故郷にいる母を思いだし、初めての土地でくつろげる場所を見つけることが出来たことに感謝していました。
そして、私は、長女がもうすぐ3歳になろうかという頃、次女を妊娠しました。
長女の時は、実家の母が泊まり込みで1か月ほど手伝いに来てくれました。
しかし、前の家とは違って宿泊するスペースがなかったため、どこかマンスリーのような部屋を借りて、私の家にまで通ってくれることになりました。
1部屋借りれるなら、と、父も来てくれることになったのです!
色々と探したのですが、何と最終的に、あのコーヒーショップの2階の1室を3か月間の契約で借りることになったのです。
面白いご縁に不思議な気持ちになりました。
次女の予定日は2月9日、両親は1月31日の夕方に来てくれて、長女の顔だけ見に来て、夕食を食べるとコーヒーショップの上のアパートに向かいました。
何と、その日の夜中11時、私は激痛で目を覚まし、前駆陣痛かと1時間ほど様子を見たのですが、段々痛くなるので、慌てて病院へ行きました。
それから2時間後の午前2時21分、次女を出産しました!
両親はアパートから駆けつけて来てくれ、とりあえず長女はアパートで1泊することに。
次の日、コーヒーショップでお気に入りのカレーを食べて、私のお見舞いに来てくれました。
父は、孫の誕生を喜ぶとともに、私から散々聞かされていたコーヒーを初めて飲めて、
「本当に美味しかった!」
と、感想を聞かせてくれました。
父は私と一緒でコーヒーが大好きで、それからランチに、おやつの時間に、と、長女を連れてはコーヒーショップに出向き、コーヒーを楽しんでいました。
息子さんと話が合ったようで、慣れない土地での生活を満喫していました。
そして、4月になり、長女は幼稚園に入園。
入園式の帰り道も、コーヒーショップに寄り、私達家族と両親とでランチをしました。
私は妊娠中と出産後、コーヒーを控えていたのですが、この日は1杯だけ楽しみました♪
おばさんと息子さんも、制服姿の娘に、
「おめでとう!」
と、声をかけてくれ、娘は照れて笑っていました。
そして、4月末、両親が地元に帰る日がやってきました。
その日もこのコーヒーショップでランチをして、私は産後2回目のコーヒーを楽しみました。
それから、長女は妹の誕生、幼稚園の入園、大好きなおじいちゃん・おばあちゃんがいなくなったことと、第一次反抗期も加わり、非常に不安定な状態になりました。
楽しく通っていた幼稚園に行くのを突然嫌がったり、幼稚園から帰って来た後は疲れの余りとても不機嫌で、ちょっとしたことで泣きわめいたり、私は産後の疲れと、寝不足の体で必死に娘をなだめました。
長女の反抗期は徐々に収まっていきましたが、半年ほどはかなり辛い時期を過ごしました。
その間、あのコーヒーショップにはどれだけ助けてもらったか、感謝しても感謝しても足りないくらいです。
幼稚園後、どれだけ泣きわめいていても、
「あんパン買って帰ろうか?」
というと、たちまちニコニコ。
私も少しだけお店に腰をおろし、美味しいコーヒーを飲んでほっと息抜きをすることで、どれだけ救われたことか。
忙しい中、ご飯を作る気力もない時、何度も甘えさせてもらいました。
帰ってしまった母に代わり、育児の話を聞いてくれたおばさんにもとても感謝してます。
それから、長女の幼稚園生活を通じて徐々にお友達も増え、ママ友とランチをする機会があると、よくそのコーヒーショップを利用していました。
下の子がいるお母さんが来ても、嫌な顔1つせず対応してくれ、この店に来るとみんなくつろいだ気分になれるのです。
もちろん、あの美味しいコーヒーはママ友にも大好評です。
引っ越し後の寂しい時期、両親のこちらでの生活、次女のイヤイヤ期、ママ友との交流・・こちらに来てからの全てのシーンで、あの小さなコーヒーショップが支えてくれました。
これからも通い続けるつもりです♪

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