手動コーヒーミルのお手入れ方法

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美味しいコーヒーを挽くためのコーヒーミルには大きく分けて電動式のものと手動のものがあります。電動式はいつでも手早く簡単にコーヒー豆を挽くことができますが、手動式にも電動にはない独特の良さがあります。たとえばコーヒー豆を挽いている時のゴリゴリとした手応えや音を楽しめるのは手動のコーヒーミルならではでしょう。

 

また手動のコーヒーミルはお洒落なインテリアとしても優れたデザインのものが多く、コーヒーを飲料として味わって楽しむだけでなくコーヒーと暮らすライフスタイルそのものを楽しみたい人におすすめです。

 

手動のコーヒーミルは人間が手作業で扱うものですから、定期的なお掃除とメンテナンスがとても重要になります。まず最初に購入時に確認しておきたいのが、コーヒーミルの材質についてです。手動のコーヒーミルは電動式とは異なり、デザインによって材質がまったく違っています。日々のお手入れもその材質に合わせて行う必要があるので注意しましょう。

 

外観も大切ですが、もっとも気を遣うのは実際にコーヒー豆を挽く刃の材質と形状です。コーヒーミルの刃は、基本的に水洗いができません。水洗いが可能なのはセラミック製の刃だけですので、特に水洗い可と表記されているもの以外は絶対に水洗いしないようにしましょう。刃が傷んでしまうと他に大きな故障がなくとも豆を適切に挽くことができなくなり、コーヒーミルとしてはそれだけで使いものにならなくなってしまいます。

 

手動コーヒーミルのお手入れの基本はブラッシングです。ミルブラシやエスプレッソブラシと呼ばれるコーヒーミル専用のブラシでコーヒー豆を挽いたあとに刃や受け皿に残った粉を丁寧に払い落としていきます。この時にも水分が付着しないように注意しておきましょう。専用のミルブラシがない場合には柔らかい歯ブラシでも代用できます。また、細かい部分にブラシが届きにくいのであればブロアーを使うのも効果的です。

 

ブロアーとは空気吹きのことで、カメラ掃除用の小さなものがコーヒーミルにも応用できます。これで軽く風を送り込んでコーヒー粉を飛ばしてしまいましょう。キーボードなどの掃除に使うエアダスターを使っても構いませんが、内部を傷つけないようあまり強い風圧を与えないようにしましょう。言うまでもありませんが、口で息を吹きかけて粉を飛ばすのは唾がついてしまうため厳禁です。

 

ミルブラシでの掃除は粉が目につくたびに行う程度で十分ですが、コーヒー豆の銘柄を変える際には前に挽いた豆の粉が残って混入しないように必ず掃除をしておきましょう。味が落ちるだけではなく手動で豆を挽く際の手応えが変わってしまい、思わぬ故障の原因になることもあります。

 

月に一回ほどは分解掃除をするのも手動コーヒーミルを長持ちさせるためのコツです。手動コーヒーミルは複雑な構造ではありませんが、重要な部品ばかりなので一つ一つの部品を丁寧に扱いましょう。隙間に入り込んだコーヒー粉を除去するのが目的なので、拭き掃除は過度に行わなくても大丈夫です。むしろ水分が入らないよう気をつけ、内部をよく乾かすことを意識しましょう。

 

手動のコーヒーミルは部品のセッティングによってコーヒー豆の挽きの粗さを調整できるようにもなっています。当然ながら分解掃除をしてしまうと豆の挽き具合についても再調整をする必要が出てきます。慣れていないうちは分解する前に写真を撮っておくなどして元の調整の記録を残しておくと不安がありません。

 

手動のコーヒーミルは電動式と比べて手間がかかるがゆえに愛着も生まれやすいものです。丁寧に手入れしておけば長期間、人生をコーヒーの香りで癒してくれる大切な財産にもなることでしょう。

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