昔から、芸術家や文筆家にはコーヒーを良く飲む人が多いような気がします。
歴史上名前を聞いたことがあるような人の中にも、コーヒー愛好家が多く、 フランスの哲学者ルソーは、カフェで生涯を過ごすことが念願だったくらいのコーヒー好き。
ちなみにルソーの最後の言葉は、「これでコーヒーカップを手にすることができなくなってしまった…」という言葉だったみたいです。
ナポレオンの言葉でもコーヒーが出てきます。 「強いコーヒーをたっぷり飲めば目が覚める」「コーヒーはあたたかさと不思議な力と心地よい苦痛を与えてくれる。私は無感覚よりも苦痛を好む」など、普段からコーヒーをよく飲んでいたのが分かります。
そしてあの、宇宙で事故に遭遇したアポロ13号の乗組員を励ました地球からのメッセージには、「きみたちは今、熱いコーヒーへの道を歩いている」という言葉がありました。
人類が宇宙で直面した最大の危機に、それを乗り越えるために登場したコーヒーって、なんだかすごいですよね!
小説や映画の中にもたびたび重要なアイテムとして登場するコーヒーですが、そんなコーヒーにまつわる素敵な映画をいくつかご紹介します。
モノクロの感じや、映画の雰囲気全部がまさにコーヒーに似合う要素そのもののような映画、 「COFFEE AND CIGARETTES(コーヒー&シガレッツ)」。
“人生にはコーヒーとタバコが必要”
をテーマにした11本のショートストーリー仕立ての映画です。 ひとくせもふたくせもあるような人たちが、タバコを吸ってコーヒーを飲みながら、たわいもない会話をしているだけなのですが、なぜか引き込まれてしまう独特の世界観がとても面白いです!
カフェで向き合いながら会話を続ける2人、お互いうまく話を合わせられなくて、気まずい雰囲気になってしまう、そんな沈黙をコーヒーが救ってくれる、といった感じなのですが、日常にこれほどコーヒーが大切な存在になっているのかと気づかされたりもします。
「このコーヒーをシャンパンと思おうじゃないか!」と紙コップに入ったコーヒーで人生の乾杯をする老人たち。なんだかますますコーヒーを飲みたくなるような映画です。
映画に出てくるコーヒーサーバーやカップなんかの小道具もどこかおしゃれに見えてしまいます。
日本のものでおすすめなコーヒー映画は、小津安二郎の生誕100年を記念し、「東京物語」という映画のオマージュとして作られた作品。
「珈琲時光(コーヒーじこう)」という映画をご存知でしょうか。 古書店が多いことで有名な東京の神保町が舞台になっています。本とコーヒーは切っても切れない関係。
もちろんこの神保町には、古書店に負けないくらいのいい雰囲気の喫茶店が多いんです。
そんな神保町のレトロな雰囲気や路地、古い喫茶店の佇まいがとても印象に残ります。
ある古書店を営む青年のところに、銀色のトレイを持った近くの喫茶店の女性店員がコーヒーの出前にやってきます。そこから始まるちょっとした人間模様がなんだか素朴でいい感じなのです。
珈琲時光というタイトルには、「珈琲を味わう時のように、気持ちを落ち着け心をリセットし、これからのことを見つめるためのひととき」という意味が込められているそうです。
コーヒーを飲んだときのような、静かに深く余韻が残る映画ですよ。 ちなみに出演されているのは、一青窈さん、浅野忠信さんなどです。
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