コーヒーが生むつながり

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コーヒーはかなり好きです。
なぜか飲むと心が落ち着くのです。
猫舌ですが、少しだけ熱めが丁度いい感じです。
牛乳はわずかに白く変わる程度入れ、砂糖は一切入れません。
甘すぎるのはあまり好きではありません。
ホテルやペンションでは何もいれずブラックでほっこりしながら飲みます。
というわけで、極端に苦いコーヒーは飲んだ時びっくりしてしまいますので
苦手でした。
私はインスタントコーヒーを好んで飲みます。(お湯を入れて回すだけで出来上がりなのですから
とっても便利です。が、なんだか飲み方で私の性格がわかってしまいそうで恥ずかしいです)
ですが、両親は(最近のみなさんの意見はよく分かりませんが)
「断然しっかりその場その場で淹れていただいたコーヒーの方が美味しいよ。」とのこと。
ジュース感覚で飲んでいるせいでしょうか、その違いが全く分かりません。
なのでこのコーヒーよりこっちのコーヒーが良いよといわれるとチンプンカンプンで「そ、そうだね。」と頭を縦に振るしか選択肢がなくなってヒヤヒヤします。

正直に答えればいいのですがつい相手に合わせてしまう感じです。
更にコーヒーって奥が深いんだねー。なんて会話が始まったらもう後に引いたりすることは出来ません。
ただ、外からとても香ばしいハーモニーを奏でる喫茶店があるのですが、つい寒さなのか中に入りたい気分に駆られてしまったことがありまして、日中の今でも開店中で、そこでいただいたコーヒーはかなり飲みやすいです。
なんだか違いが少しわかってきてうれしいですが、最初どんなコーヒーにしようかメニューを見たら一杯で1000円ほどする代物がずらりと並んでいたのには
思わず「えっ」と口に出してしまいました。手は帰ろうとしていますが、足は「いや、
ここで試さないと損だ。お客も私一人なんだから丁度いい。」と動かなかったのは良い思い出です。
さて、夏はどうでしょうか。自宅から2キロほど離れたところに明らかにお洒落で綺麗な普通の家より一回り大きめな建物に開店中と書いてある喫茶店ができました。
昼下がりの帰り道、とても日照りの強く晴れていたのをよく覚えています。
その時は無性にのどが渇いていたので「どうしようか、入ってのどを潤そうか。
でもまた高い値段だったりして。」人様のおうちにでも入り込んでしまうと思ったのでしょうか、今度は足はお店の方に歩いているのに、ドアを開けるための肝心な手が動かないです。
ここまできたらさすがに扉を開けました。
男性2人がのんびり会話を楽しんでいる様子でした。「入ってもよろしいでしょうか?」
尋ねると「どうぞ。」と返事が返ってきたので、椅子に座りました。
メニューにはホッとするような値段でアイスコーヒー525円とあったので
それを頼みました。(よかった)そう思いながら中の様子を見てみると涼しく快適で、
様々な書籍、飾りがありました。日の光で明るく結構解放感のある様子です。
なかでも目を惹いたのは、テーブルに置いてある小さな可愛らしい広告で、そこには
オリジナルの手書きに「囲碁仲間募集中。お気軽にどうぞ。」と書いてあるではありませんか。
横に目を向けると囲碁の碁盤が白と黒の碁石が置いてあります。
先程注文したアイスコーヒーが出来上がりました。
中には冷たそうな氷が入っています。「宜しければこちらもどうぞ。」
次に頼んでもないのに少しだけのお菓子を出してくださりました。
(これがとっても嬉しかったです。ありがとうございます。マスターさん。)
コーヒーをストローで口にしました。。暑さなんか吹っ飛ぶような爽やかな苦味を感じさせてくれる濃いだし。猛暑ではエッセンシャルな冷え具合。
さらにそのアイスコーヒーにぴったりあうお供のお菓子。素晴らしいです。
ストローから口を離し、「囲碁が趣味なんですか?」と聞いてみました。
「ええ、仲間を募ってたまに楽しんでいますよ。」とマスターさん。
囲碁はテレビでしか見たことがなかったので、「へぇ、そうだったんですか。」
と失礼ながら返答しました。するとマスターさん、壁に掲載されている映画の
ポスターについて語ってくれました。

「実はこの時代劇の映画で囲碁うちをするシーンがあるんですよ。私はまだ観たことがないのですが、是非映画館で観てみたいと思っているんです。」
その映画には興味があまりなかったのですが、後日テレビで上映されていたのを観てなるほど。と思いました。主人公の知り合いと理系に強そうな2人が囲碁を楽しんで様子がちゃんと映っていました。それ以後あのお店には入ってないので、機会があればまた利用したいです。そして観た感想についても聞いてみたいです。どうでした?と。
結構面白くて最後までどうなるかわからない映画でしたので、きっと良い返事が返ってきそうです。
こうして家で飲むコーヒーや喫茶店でのコーヒー。それらは会話にちょっとした花を咲かせ、香りとともに楽しませてくれる作品。
様々な人たちによってつくり上げられるので奥の深い五感を使って楽しむ嗜好品。
ああ、なんだかコーヒーが飲みたくなってきました。ここで一息することにしたいです。

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