コーヒーとカレーの名店「迦毘羅」(かびら)

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福井市中心部にある飲食街エリア通称・片町。その最も南東側に位置する一角に、こじんまりとした見るからに小粒でかわいい喫茶店「迦毘羅(かびら)」があります。

 

味わいのあるコーヒーはもとより、名物は何と言ってもチーズ入りのブラックカレー。一度食べたら忘れられない味で、やみつきになること請け合いです。

 

ですから、目立ちにくい場所にありながら、常連客はもとより、遠方からのリピーターが絶えないのです。福井に来たら「迦毘羅のコーヒーとカレー」は知る人ぞ知る“定番”。老舗喫茶の伝統と誇りの逸品を、ぜひ一度味わってほしいものです。

 
創業は50年以上とか。おしゃれで古風な外観に加え、中に入ると一目瞭然、昭和初期か大正ロマンをちょっぴり彷彿とさせるような趣に包まれます。アルプスの少女ハイジが住む山小屋を近代化?させたような風情…とでも言ったら言い過ぎでしょうか。そんな木彫の味わいと天井の白壁が織りなすハーモニー。

 

一瞬、時間が止まったかのような錯覚にさえ陥りそうな雰囲気です。

 
それよりも「何と狭い…」といった感想が先にくるかもしれません。それもそのはずカウンターをメーンに14席しかないのですから。それでも席に付くと、なぜか落ち着いた雰囲気が漂い、リピーターになる理由が何となく理解できそうな感じになってくるから不思議です。

 
さて、深みと味わいのあるブレンドコーヒーをまずいただきながら、お目当てのカレーを待ちます。ご主人いわく、このカレー粉は、東京の輸入専門店から取り寄せている特別注文の逸品とか。カレーへのこだわりから生まれた本場の味。

 

ブラックカレーだけに一見、一般のカレーとは若干違っていて違和感も。ところが一口頬張った途端、衝撃の渦に包まれてしまうのです。

 
ほかの店では絶対に口にすることのできない濃厚な味が、口の中いっぱいに広がります。「これって、カレー?」「確かにカレーだ…」と、押し問答しながら一口が、二口、三口に…。と進むに連れて、あっという間にエンディング。食した後からやってくる別の食感?がたまらなく最高で、自然とリピーターへの道が開けていってしまうのです。

 
閑話休題。ご主人の人柄について一言。結構お年を召しておられるようですが、とても気さくな方で話好き。ですから、お店に関することはもとより、雑談めいたことなども含め何でも聞いてみたらどうでしょう。時折、ご主人の奥様も顔を出されていて、おしどり夫婦のお手本みたいなものまで拝見できることでしょう。
ちなみに、隣接する角のタバコ店も経営。ご主人の話によりますと、店の前に置いてある自販機は一時、たばこの種類の数が県内一だったこともあったとか。愛煙家の方なら、コーヒーを飲みながらタバコの注文もOKなので、良かったらどうぞ。何から何までこだわりの店。20年近く前の話になりますが、ご主人が宝くじを当てて、界隈の話題にも…。

 

金額は億単位はもちろん、数千万円にも届かなかったので、それほど盛り上がらなかったのですが、当時の話を聞いてみるのも面白いかと思います。記念にと保存した当選券の写真と、新聞に掲載された当選番号を見せてくださるかも。もうとっくに処分されたかもしれませんが…。
とにかく店舗の内外観、古くから親しまれている独特のコーヒーの味、ここでしか味わえない本場直輸入のブラックカレー、さらにご主人や奥様の人柄…等々は最高です。JR福井駅から歩いて10分ほどの近距離。福井に降り立った時は、是非とも一度立ち寄ってほしいお店です。リピーターになること間違いなし。太鼓判を押したいくらいです。

 
住所=福井県福井市順化1ー1ー14
電話=0776ー24ー3885
営業時間=午前9時〜午後8時
定休日=日曜・祝日

 
ただし、訪れる場合は、一度電話で確認してください。念のため。よろしくお願いします。

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